このページの最終更新:16th Nov 1998

水滴発生の原理

吹きはじめの発生 / 定常状態での発生

吹きはじめの発生

水はどこからくるのか

私たちが楽器を吹くと、たいていの場合水滴が発生します。この水は、 楽器にとってあまりいいものではありません。トーンホールに水がたまると 音が正確にでなくなりますし、管の中の水を放置しておくと、楽器が痛んだり 最悪の場合、楽器が割れてしまう原因にもなりかねません。このように水滴は 困りものなのですが、一体どこからやってくるのでしょう。

すぐに思いつくのは、私たちの唾液です。私たちの口の中は常に唾液で 満たされています。それは流れ出していると思うのは、とても自然なことです。
ところが、楽器からでてくる水の量は、ふつうの状態ででている唾液の量より ずっと多いし、唾液は気温によって分泌量が変化することはほとんどありません。 それに対して、楽器につく水滴は寒い方が多いのです。ということは、唾液は水滴の 一部分かもしれないけど、主体ではないと思われるのです。

ところで、みなさんは、寒い日に息をはあっと吐くと、息が白くなるのを ご存じでしょう。とてつもなく寒いところでは、それが氷になってきらきら光る そうですが、この白いものの正体も、水なのです。つまり、人間の吐く息は、 大量の水蒸気を含んでいるのです。その理由はちょっとわかりませんが、これが 冷やされると水滴になるのです。

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どの位の水ができるのか

では実際に、どの位の水が発生するのかみてみます。まず、空気のどの位の水蒸気が 含まれているかを調べてみると、その限界の量(飽和水蒸気圧)は次の通りです。

気温(℃)飽和水蒸気圧(hPa)
1012.28
1517.05
2023.39
2531.69
3042.38
3556.31

そして、空気が冷やされて飽和水蒸気圧が下がると、水蒸気はその一部分が 水滴に変化してしまいます。たとえば、35℃の飽和蒸気を含んだ空気1リットルが 冷やされると、これだけの水滴が発生します。この値は少し実感的でないので、 水が1gできるのに必要な息の量も示します。

気温(℃)水滴発生量(mg)空気量(l)
1033.629.7
1529.334.1
2024.341.1
2517.056.1
309.8101.8
350.0-

ちなみに、水滴1滴はだいたい5mlくらいで、水1gが管内にびっしりつくと、かなり 危険な状態といえます。
実際には、人間の息は完全に飽和しているわけでないし、いくら冬場のはじめは 楽器が冷えているとはいっても、吹いているうちに息で暖まってくるので、 単純にこれだけの水滴が発生するわけではありません。とはいいっても、 息の中の水分がでてきているのだと言うことは、実感できると思います。

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