このページの最終更新:30th Oct 2002

続・リードの湿潤と乾燥

リードの保存環境による乾燥速度の検証

リードが完全に乾燥するには、どのくらい時間がかかるのでしょうか。
この単純な疑問に対して、前回の実験で、すでに「リードはすぐに 乾燥しない」ことを確かめています。しかし、このときはリードを裸のまま机の上に放置する という、普通の片付けた状態と異なる条件での実験でした。そこで今回は、リードをちゃんと リードケースにしまった状態でどう変化するのかを確かめました。

リードケース・ガード リードのしまい方にはいくつかの種類があると思いますが、今回は一般的と思われる、 リードケースと、2種類のリードガードを使用し、また比較のため今回もカバーなしで放置する サンプルも用意しました。使用したリードケース・リードガードの写真を左に載せておきます。
左上の大きいケースが普通のリードケースで、ふたを閉じるとリードはほぼ密閉された空間に 閉じ込められます。手前の紫色のものは、かつてバンドレン社から出ていた、4枚のリードが 収納できるリードガードです。リードの接触する面には数本の溝が切ってあります。また、リードは 中央のゴムバンドで固定されているだけです。その右は、バンドレンのリードを買うとついてくる リードガードで、この3つの中では一番開放度が高いと思われます。


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実験条件、方法、結果

実験方法は単純です。充分乾燥していると思われるリードの重さをはかり、水にある時間浸して、 その後適当な時間を置きながら重さをはかっていくだけです。

実験は、前回より分解能・確度の高い、会社の電子天秤を借用しましたので、すべて会社の自席で 行ないました。使用したリードは、前回の実験後そのままケアもせずに放置していた、バンドレンと グロタンのリード各2枚ずつと、最近引出しの奥で発見した、おそらく使用不能のリード4枚を加えた 合計8枚です。これを4グループに分けて、まずすべてのリードを約3時間水に完全に沈めます。次に、 普通のリードケース、バンドレンの白いリードガード、同じくバンドレンの4枚組みリードガード、 そのまま、の4グループに2枚ずつ分け、適当な時間の経過ごとにその重さを測定しました。
会社の自席は前回の実験と同じく、気温18〜22℃、湿度25〜35%でした。リードはそれぞれの収納状態で 机の片隅に放置しました。この場所は、天井から吹き出す空調(冷房・暖房の区別は不明)がほぼ直撃して いましたので、紙をかぶせておきました。
なお、この実験は上述のとおり会社で行なったのですが、社則により開発環境(=自席)は写真撮影が 一切禁止だったので、実験中の様子は紹介できません。申し訳ありません。

測定結果を表にまとめると、次のようになりました。(数字の単位は[g])

サンプル名実験前開始時6時間後20時間後24時間後44時間後48時間後68時間後72時間後
リードケースSample1 0.7700.9890.8590.7940.7830.7640.7510.7510.749
Sample2 0.7941.1300.9690.8310.8140.7810.7740.7700.769
リードガード(4枚組み)Sample1 0.8461.0810.8890.8490.8400.8340.8250.8210.823
Sample2 0.8001.0350.8490.8040.7930.7820.7760.7720.770
リードガード(1枚もの)Sample1 0.8141.1360.9660.8290.8110.7930.7880.7850.784
Sample2 0.7641.0700.8780.7640.7560.7410.7380.7370.739
ケースなしSample1 0.7901.1030.7900.7680.7700.7590.7590.7620.764
Sample2 0.7160.9640.7090.6980.6970.6910.6930.6910.689

このままでは少し分かりにくいので、グラフにするとこのようになります。
結果グラフ1
リードケース

結果グラフ2
リードガード(4枚組み)

結果グラフ3
リードガード(1枚もの)

結果グラフ4
ケースなし


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この結果をどう見るか

この結果を見ると、すき間が多く比較的乾燥が速いと思われるバンドレンのリードガードであっても 元の質量に戻る、すなわち充分乾燥した状態に至るまでには、およそ48時間=丸2日近くかかり、 密閉度の高いリードケースでは、落ち着くまでにさらに時間が必要ということが分かります。一方で、 机の上に裸で放置すると6時間後にはほぼもとの状態に戻ることも分かります。

リードの外観上は、6時間後の測定の時点ですでに、どのリードも充分に乾燥している かのようになっていました。その後実験終了まで、リードの外観は全く変化していません。 このことから、リードの内部にしみこんだ水分が乾燥するまでには、それなりの時間が 必要である、という事もわかります。

なお、この実験ではリードを机の上に置いています。楽器ケースの中や小物入れの中など、 実際にはもう少し風通しも悪く、湿度もそこそこある環境にリードを置くことになるので、 今回の実験よりももう少し乾燥が遅い可能性は充分にあります。ですから、リードが完全に 元の状態に戻るには、4〜5日を見込んでおくのが賢明ではないかと思います。

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