このページの最終更新:7th Mar 2002

うなりを見てみよう

うなりとは

チューニングをするときに、二つの音が微妙に違う高さだと、音が「わんわんわん」と 大きくなったり小さくなったりするように聞こえます。私たちは、このような現象を指して 音がうなっている、などといいます。

うなりは、お互いに周波数の近い二つの波があるときに、その二つの波が重なって 起こります。理論的には音だけでなく、電波や光、地震でも起こるはずなのですが、 実際に私たちがうなりとして認識できるものはあまりありません。
では、このうなりはどうやって起こるのでしょうか。

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まずはうなりを見てみよう

うなりの理屈を知る前に、まずはうなりの様子を見て見ましょう。
うなり この絵は、ある適当な二つの周波数の正弦波を、単純に足し算したものです。 よくみると、ある周波数の波が、ゆっくりとした速度で大きくなったり 小さくなったりしているのが分かります。このような波が音として存在した場合、 私たちの耳には、ある周波数の音が、ゆっくりした速度で、音量が大きくなったり 小さくなったりして聞こえます。この音量の変化が、うなりの「わんわんわん」 となって聞こえるのです。
うなりは、元となるふたつの正弦波の周波数や振幅比によって、かなり様子が変わってきます。 それらを一つ一つ紹介することはできないので、うなりを簡単に表示できるエクセルファイルを 作ってみました。開いたファイルの周波数や振幅をいろいろ変えると、それにあわせて 表示される波形も変わります。いちどお試しください。

うなりを表示するエクセルファイル (155KB)
・IEの場合、エクセルがインストールされていれば直接IE上に画面が表示できます。
・NNの場合は、ファイルをダウンロードするとエクセルのウインドウが開きます。

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うなりが生じる理屈

では、うなりが生じる理屈を考えてみましょう。
いま、周波数 fa、最大振幅 Aの正弦波と、周波数 fb、最大振幅 A の正弦波があるとします。 このとき、それぞれの波のある瞬間tの振幅 Aa(t)と Ab(t)は、
Aa(t) = A×sin(2πt×fa)
A2(t) = A×sin(2πt×fb)
と表せます。ただし、簡単にするため、位相のずれをないものとします。また、最大振幅が 同じなのも、あとの説明を簡単にするためです。

さて、この二つの正弦波が同時にあるとき、合わせた波はどうのようになるのでしょうか。 波は、複数の波を重ね合わせることができます。そのときの合成波は、単純に足し算をすれば 求めることができます。ですから、先ほどの二つの波を合成したとき、その合成波の振幅 A(t)は、
A(t) = A1(t)+A2(t)
   = A1×sin(2πt×fa)+A2×sin(2πt×fb)
となります。

ここで、高校数学で習う「和積の公式」を使います。和積の公式は、
sin A+sin B = 2×cos((A−B)÷2)×sin((A+B)÷2)
ですから、先ほどの式に当てはめてみると、
A(t) = A×sin(2πt×fa)+A×sin(2πt×fb)
   = A×(sin(2πt×fa)+sin(2πt×fb))
   = A×2×cos(((2πt×fa)−(2πt×fb))÷2)×sin(((2πt×fa)+(2πt×fb))÷2)
   = A×2×cos((2πt)×(fa−fb)÷2)×sin((2πt)×(fa+fb)÷2)
となります。ここでこの式をよく眺めると、振幅がA×2×cos((2πt)×(fa−fb)÷2) で、周波数が (fa+fb)÷2 の波の式であることが分かります。そして、 fa と fb が近い値の場合、(fa+fb)÷2 は音の周波数に近い値となる一方で、(fa−fb)÷2 はかなり小さい値となります。ですから、もとの 二つの波と同じような周波数の音が、ゆっくりと大きくなったり小さくなったりしているように 聞こえるのです。

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