このページの最終更新:25th Dec 1998

クラリネットが移調楽器になった訳

移調楽器とは

クラリネットは、移調楽器の一つです。これは、楽器を少しでもさわったことがある人なら おそらくみなさん知っているでしょう。ですが、そもそも移調楽器とはどういうものなのか、 簡単に確認しておきましょう。
本来、楽譜の音符の高さと、実際になる音の高さは1対1で対応しています。 たとえば、ト音記号で真ん中のドといえば、その音は一つしかありません。
ところが、クラリネットでこの音を吹こうとしていわゆる「ドの指使い」で吹くと、 実際にはその下のシbが出ているのです。これが移調楽器の原点です。

吹奏楽で使われる楽器にも、移調楽器は多くあります。いずれも、楽譜に「ド」と 書いてあるのを吹いても、実際には違う音が出ます。主な移調楽器をあげておきましょう。

クラリネットBb/Eb/(A)
サックスBb(Sop,Ten)/Eb(Alt,Bar)
トランペットBb
フレンチホルンF/(Eb)

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移調楽器だといいこと

では、なぜ移調楽器になっているのでしょうか。
みなさんは、リコーダーを吹いたことがあるでしょうか。小学校などでは、主に ソプラノリコーダーとアルトリコーダーを使うのですが、この両者は見た目は 大きさ以外はほとんど一緒です。ところが、運指は全然違うのです。たとえば、 アルトリコーダーのドは、ソプラノリコーダーではソにあたります。
もし、クラリネットの運指を実際に出る音に準じて組み立てると、これと同じ事が起こります。 つまり、同じ運指がそのときによってドになったりソになったりファになったりするのです。 もしそうなると、同じ楽器を吹き続けていれば問題はないのですが、違う楽器に 持ち替えたりすると、指がごっちゃになってしまって困るのです。

実際、クラリネットを曲中に持ち替えて吹くことは多々ありますが、楽譜に書いてある音と 運指が1対1に対応しているので、混乱することなく移行することができます。 ただ、楽譜に書いてある音と、実際になっている音がずれてしまうので、 その関係を理解しておく必要があります。実は、ソプラノリコーダーも本当は 移調楽器なのですが、この「移調」という概念が難しいので、運指を読み替えているのです。 リコーダの場合は、キイもありませんし、運指もさほど複雑でなく、音域もせいぜい 2オクターブ程度なのでこれでもどうにかやっていけるのですが、クラリネットは 音域も広く、キイも頻繁に使うので、移調楽器となっているのです。

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