このページの最終更新:1st Nov 1998

いろんな話

その4その3その2 / その1

その1

差し入れ

差し入れについて。これがまたやっかいなのである。
普通、差し入れといえば何か忙しい人や団体に対して、 心ばかりの「頑張って」の気持ちを添えた贈り物をする事だと思う。 辞書的定義はもう少し違うかも知れないが、ここでは置いておく。
しかし、演奏会で差し入れといえば、そんななま易しいものではない。 とはいっても、普通の演奏会に行っても「差し入れ受付」などはたいてい存在しない。 あっても「花束受付」ぐらいだろう。
そう、普通は演奏会の 差し入れといえば花束、まあ相手によっては菓子折りという事もあるが、 そんなものである。ところが、我々大学生の演奏会となると事情が異なる。
どこの大学でも必ず「贈り物受付」があり、その後ろには 大きなごみ袋に入った色々なものがデンと置いてあるのだ。

これは、大学生同士でプレゼントを贈ったり贈られたりしているから 起こる事なのだが、なかなかやっかいなのである。
まず、量が多い。 人によっては一回の演奏会で100人近い人から色々もらう事がある。 そうなると、一人分でごみ袋一杯の袋がいくつもできてしまい、下宿生でも何往復も しないと運べないし、自宅生は車がないと持って帰れない。
さらに、その中身も問題となる。大抵は花束、食料品、菓子類、日用品、 おもちゃ類などなのだが、たまにそうでないものが混じる事がある。
花火などなら、打ち上げで使えばおしまいなのでまだいい。 困るのは、どう考えても使いみちのないもので、例えば「れんが」「腐葉土」 「自転車のホイール」など。「捨て看板」などのかさばる物も困る。

こういう贈り物をする場合は、ほとんどがいたずら(嫌がらせ) なのだが、ひとつだけいっておくと「こういう贈り物をしたら 自分の時に痛い目に遭う」という事。
大学生諸君、ちょっとだけ気をつけよう。

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休憩時間

どこの演奏会に行ってもそうなのだが、だいたいの場合は 複数の部から構成されている事が多く、その間には15分ないし 20分の休憩が取られている。
僕の場合は、差し入れを受付にわたしたり、 他の学校の友達と話したりするのに時間を費やすので20分でもさほど 長いとは感じないが、一般人の場合、トイレに行って帰ってくれば あとは開演までする事がなく「どうしてこんなに休憩が長いのだろう」 と感じるだろう。

では、この間に一体何がおこっているのだろうか。
まず、舞台上から見てみると、舞台上ではセッティングの変更が 行われる事が多い。前の部とあとの部で、出演するメンバーの数が微妙に異なったり するので、それで余る(あるいは足りない)いすや譜面台を調整するのである。
また、選曲によっては演出効果を考えていすの並べ方自体を 変えてしまう事も案外よくある。それに合わせて反響板を動かす事もあり、 これがまた結構やっかいである。反響板はめちゃくちゃに 重いので急に動かすことができない。例えば大阪・吹田市の メイシアターの場合、後ろの反響板一枚をあげるだけで12分以上かかる。
しかも反響板が動いている間は、ステージ上には安全確保のため 人が入れないので、残りの数分でセッティングをなおす事になり、 ステージ上は戦場になる。

これらの作業は、もちろん演奏会の出演者がする事もあるが、たいていは 仲の良い他の学校に助けっ人を頼むことになる。
メンバーはステージから下りると、たいていいったん控え室に行って チューニングを確認したり、演出や表現の最終的な確認をしたりする。 といっても、時間的には10分ぐらいしかなくて、開演5分前には ステージ横でスタンバイするのが普通である。
場合によっては、この間に衣装を完全に着替えなくてはならない事もあり、 その時には控え室もまた戦場のごとき雰囲気に包まれる。

20分という長い休憩時間であっても、>出演する側の人間は ほとんど休む暇などないのである。

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指揮者

演奏会において一番目立つのは、何といってもやはり 指揮者である。
世の中では指揮者は非常に偉い事になっているようであるが、 実際のところはそうでもないような気がするのは、きっと どこのバンドの人も感じているのではないだろうか。

だいたい、本番の指揮者などというのはほとんど飾りであって、 仮に本番中に 指揮者が脳卒中で倒れたとしても、おそらく演奏は 何事もなかったかのように通ってしまうであろう。
というのは、 指揮者の本当の仕事は本番までの曲を創るところにあるのであって、 本番で指揮をするのはその余興みたいなものだという事である。
まあ、その「本番までの準備」が死ぬほどつらい訳で、その点で 指揮者は偉い、 というか我慢強いという事はいえるだろう。

ところが、演奏会で高名な指揮者を客演で呼んだりした場合、 たいていは一番かんじんの下積みの部分を誰か他の人が肩代わりして やってるのである。であるから、いくら著名な指揮者が来るからといっても、 その中身までがその指揮者のカラーでできているかといえば、 たいていは「ノー」である。
だいたい、当日と、その前のわずか数日の リハーサルで以心伝心的なコミュニケーションが確立できる訳がないではないか。

ただし、中には貴重な時間を割いて数か月にわたって指導を続けた結果としての 客演指揮もあるので、単純に「客演=嘘」の式が成り立つ訳ではないのだが。

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選曲委員

他のバンドはどうだか知らないけれど、僕のいる楽団ではコンサートの半年前、 すなわち一つ前のコンサートが終わる 少し前位から次のコンサートに向けた選曲をする。 本当は全員で やるのが理想なのかも知れないけれど、なにせうちのバンドは人数が多すぎるので、 選曲委員なるものを募集して、そのメンバーが 中心となって選曲をする。

それはそれで完成された制度だとは思うのだが、全く問題がない訳ではない。
例えば曲によってはあるパートに大きな負担がかかる事があるが、そういう事情は 該当するパートの人にしか分からない事も多い。そこでうちのバンドでは「各パート一人以上 選曲委員を出す」事になっているが、これは人数の少ないパートにとっては しんどい事でもある。

もっと困るのが、自分から選曲委員になる奴は「おたく」な奴が多いという事である。
色々な曲を知っているのはいい事なのだが、その分野が偏っていたり、 およそ一般人受けしそうにない曲ばかりだったりするのである。 そしてそんな奴に限って委員の中で発言力があるから、ほおっておくととんでもない選曲に なってしまうのである。

プロのバンドではそういう事はないと思うが、一般バンド(市民バンドとか 学校のバンド)では、案外こんな感じで決まってるところも多いと思う (勝手な推測でしかないが)。
コンサートを聞く時に、そういった面から観察してみるのもおもしろいかもしれない。

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コンサートマスターの仕事

たいていのバンドには、コンサートマスター(女性ならコンサート ミストレス)がいる。これは長すぎるので、省略してコンマス(コンミス)と呼ぶ事が多い。
吹奏楽バンドでは、クラリネットのトップ奏者が兼任することが多い。もちろん、 オーケストラバンドであれば第一バイオリンのトップ奏者である。

僕もクラリネット奏者であり、大学のバンドが僕の時代では年功序列的に上級生が トップを持ち回りしていたから、大学のコンサートでコンマスをするチャンスがあった。 また合同演奏会に出た時も、クラリネットの中で 最上級生だったので、 形式的にトップを吹いた。
一般的に コンマスの仕事は、指揮者との調整役だとか、バンドの統括だとか、 時には指揮者に替わってアインザッツのタイミングを取るとか言われたりするけれども、 そんなおおそれた仕事は僕にはなかった。僕がやったことと言えば、 本番でステージが明るくなる前に舞台の様子を確認して、 準備ができれば僕が座って明転の合図を出したことと、終了後、 客演の指揮者とステージ上で握手をしたことぐらいである。 それも、舞台の流れ上何となくそうなっただけで、別に僕じゃなくても良かった様に思う。

巷では、コンマスの仕事は大変だと思われているし、吹奏楽をやっている人にも そう思っている人が多いけれども、バンドによっては、コンマスの実態なんて この程度のものなのである。

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