このページの最終更新:1st Nov 1998

いろんな話

その4その3 / その2 / その1

その2

コンサートノルマ

多くの場合、大学生バンドの演奏会は入場無料である。CDを毎年出すようなバンドでは、 入場料をとるところもあるし、普通のバンドでも入場券に「一般400円」とか 書いてあったり する事もあるけれど。
ただで演奏が聞けると言うのは(レベルは別にすれば)有り難い事だが、 お金がなければホールすら借りられない。いったいどうしているのか。

答えは簡単で、演奏会をする側、つまり大学生自身がみんなで演奏会に関係する 諸費用を負担しているのだ。
一回演奏会を開くと、ホール代はもちろんかかるが、その他にも宣伝費用や、 パンフレットの制作費、他団体へのあいさつ状、楽器運搬の車代など、全部ひっくるめて 200万近いお金が動く事になる。僕のいたバンドの場合、この金額を出演曲数を 基準とした変則的頭割りで負担するが、ひとり2万円くらいになる。
バンドによっては、全くステージに出なくてもノルマは均等に頭割りだったり、 そのわけかたは色々あるが、出演者が費用負担するのはどこのバンドでも ほとんど一緒である。これは、先に出た入場料をとるバンドでも言えていて、 それは、実際には団員が チケットを買いとって、それをみんなに配ったり (当然買い取る費用は団員の負担) しているからである。
また、入場料を取るとホール代が高くなるという事情もあり、入場料を とったからと言ってそれでペイ出来るバンドはほとんどないのである。
ペイしようとすれば、プロの演奏会のように5000円以上の入場料をとらなければならず、 アマチュアバンドでそんな事は不可能だ。

こういう事情もあり、吹奏楽をするには結構お金がかかる。団員の中に金欠症の 人が多いのも、そういう事と関係があるかも知れない。

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リハーサル

演奏会の当日というもは、結構忙しいものである。というのは、 大学生バンドの場合は、当日は朝早くからリハーサルをするからである。
プロのバンドであればどうなのか知らないが、これがまたしんどいのである。

そもそも、練習場所が本番のホールと一緒なら、わざわざリハーサルをする 必要はあまりないような気もするのだが、実際のところそういう訳にはいかないのである。 だから、リハーサルをするのは最終的な音のチェックが中心となる。はずである。

はずである、というのは、実際にはそれ以外のこまごまとした仕事が結構あるからである。
まず、舞台上にいすや打楽器を並べたら、その位置を記録するのである。 あらかじめ舞台の 広さを考えて配置を決めてあるのだが、実際に並んでみないと、 前の人が邪魔になるとか、移動するための隙間がないとかいう事は分からないのである。
それらを修正したら、舞台にビニルテープを張って目印にする。 どこかで書いた様に、各部の間にいすの並べ換えをする時、目印がないと困るのである。 まれにこれを忘れる奴がいて、本番いすが足りない原因になったりする。
他にも、企画ステージでは照明や効果音を使うので、そのタイミングや細かい 演出を打ち合わせし、実際に通してみて 確認する事も必要になる。時間が足らなくて これを省略してしまうと、本番で照明の色が変わるタイミングや、効果音が入る タイミングがずれて、みっともない事になってしまう。
あらかじめ演出の計画は ホールの人に伝えてあるのだが、ほとんどの場合うまく 伝わらないか、台本を渡したあとに変更があって役に立たないかのどちらかなので、 ホールの人には大いに迷惑をかけることになる。

この他にも、ステージマーチングショウをする時には、動きの基準となる目印 (ポイント)を張ったりする必要もあり、朝早く、ホールが開く前に集合しても、 本番までてんてこ舞いの忙しさになるのである。
ただし、そこまで忙しいのは、企画の責任者とか、団長とか、 ごく一部の人に限られるという説もあるのだが。

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ステージ上のトラブル(1)

だいたいどこの演奏会に行っても、目に見えたトラブルと いうものは めったにないので、コンサートなんてそんなものだと思っている人も多いと思う。
しかし、実際にはステージ上で様々なトラブルが起こっている事も多いのだ。

一番多いのが、物が飛んでくる事である。といっても、観客がブーイングと共に 石を投げたり、 歓声と共に座布団を投げたりすることはまずない。 よく飛んでくるのは、指揮棒である。
本番中に指揮者が、気合いが乗ってきて腕を振り回して、勢い余って飛んでしまうのだが、 困った事にたいてい最前列の奏者を直撃するのである。演奏中はそれを拾いにいく ことはできないから、曲間にさりげなく拾うのであるが、すごい人は指揮棒を 2本持ってステージに上がったりする。しかし、僕はその2本とも 1曲のなかで 投げ飛ばした指揮者を知っている。

指揮棒の場合は前から飛んでくるので見えるからまだいいが、後ろから不意打ちを 食らわされる場合もある。
たいていはパーカッションのマレットやスティックで、振り回して手が滑るのは 指揮棒と一緒だが、後ろから来る上にあたると半端じゃないほど痛いので手に負えない。
パーカッションの人もたいしたもので、たいがい楽器の横に予備のマレットを おいてあるらしい。他には、トロンボーンのスライドが飛んできたり、屋外なら 譜面や譜面台、その他いろんな物が飛んでくる。

後、よくあるトラブルは忘れ物である。基本的に、いったんステージに上がってしまえば その部が終わるまで取りに行くことはできない事が多いので、物によっては大変な事になる。
僕の場合、2部の楽譜を1部に持っていってしまった事がある。仕方がないので 全部暗譜で吹いたが、ソロを含めて冷や汗をかいた覚えがある。
その他、クラリネット奏者の場合もしもに備えてリードを持っていく事が多いが、 それを忘れて、しかもそんな時に限ってリードがならなかったりして悔しい思いを する事もある。
そうやって書いていくときりがないが、世の中には楽器を持たずにステージに上がったツワモノもいるので、あなどれない。

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ステージ上のトラブル(2)

もう一度ステージでの話。今回は僕が大学2回の時の定期演奏会で コンサートマスターを したときの話である。

コンサートマスターの仕事は、どこかで書いたようにたいしてないのだが、 数少ない仕事のあった一部のメインの曲が終わったときの話である。
事前の打ち合わせでは、曲が終了して、指揮者がメンバーを立たせて、礼の後 退場したら、照明が落ちて 緞帳が下がる、というものだった。僕は結構物忘れが 激しい、というかうっかりすることが多いので、その手順を楽譜のすみに書いて おいて、本番にのぞんだのである。
無事メインの曲も終わり、予定通り指揮者の合図で全員立ち、指揮者が退場した。 そして舞台は暗くなったが緞帳が降りてくる気配がない。どうかしたのかなあと しばらく待ってみるものの、動きがない。さあ、どうする。

こういう緊急事態(?)の時、コンサートマスターがどういう行動をとるかで、 見ている人に与える印象が大きく変わってしまう。「何があっても決して あわててはいけない」と、先輩に言われていたので、とりあえず隣の人に 目で合図して、座ることにした。コンサートマスターが一人だけ座ると、 いくらステージは暗いとはいえあまりにも格好が悪いので、隣のやつを巻き添えに しようというもくろみだったのだが、結果的には僕の動きを見て、ステージの みんなが座ってくれた。とりあえずはOKである。

それを待っていたかのように「ここで、20分間の休憩を・・・」というアナウンス。 ちょっと待て、それは緞帳が降りてからじゃなかったっけ、と楽譜を見ると、 アナウンスについては何も書いていない。それもそのはずで、緞帳が降りてしまえば、 ステージで何をしようと観客には分からないから、ステージから撤収するタイミングは 適当でいいので何も書いてなかったのである。まあ、アナウンスが入ってるということは、 もうステージは注目されていないということなので、アナウンスの区切りを 確かめてから退場したのである。
こういう事情を知らなかったら、見ていても何も感じないのかもしれないが、 ステージサイドにいた先輩には「なんでうごかへんかってん」とつっこまれてしまった。

後で確かめてみたのだが、未だにこのすれ違いの原因は不明である。まあ、 過ぎたことなのでどうでもいいのだが。

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キャリー隊

演奏会をする会場が練習場所と一緒という、限りなく幸福な バンドももしかしたら あるかもしれないが、世の中の ほとんどのバンドは、演奏会に必要な楽器を 会場まで運搬する必要がある。
バンドによって呼び名はまちまちだろうが、関西地区の大学バンドではこれを 「キャリー」と呼ぶことが多い。

どこのバンドでも、だいたい打楽器と大型管楽器(チューバ、ユーフォあたり)が 問題になる。この点クラリネットはお手軽に運べてしまうので便利だ。こういう大きい楽器は、 トラックとかに積み込むのだが、どこの大学でも専門部隊(?)がいて、それがキャリー隊なのである。
彼らの仕事は、運搬の機会に応じてトラックを手配し、実際に楽器を積み込んで、 荷台に固定して、トラックを運転して、現地で降ろす事、つまり運搬関係全部である。

小さいバンドなら、適当に積んでもまだ余裕があったりするのだが、人数が多い=楽器が多くなると そうはいかない。特に学生はトラック代を安くあげるためにかなり無理をして積み込む事が多い。
そのノウハウ(?)は各学校で代々受け継がれているのだが、その考え方が微妙に違うので、 合同演奏会の時に問題になったりする。
例えば、弦バスをトラックに積むかどうか、木管楽器はどうか、ティンパニの上に物を置くかどうか、 など。僕も一回合同演奏会のキャリーをやった事があるが、このへんの判断が大変だった。

演奏会を陰で支える彼らも、キャリーが終わればただの団員なのだが。

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