このページの最終更新:3rd Dec 2001

いろんな話

その4 / その3その2その1

その4

招待状

演奏会の会場にはいるためには、ふつうはチケットを持っていけばいいのだが、 場合によっては招待状を持っていくこともある。

学生バンドの場合、この招待状にはいくつかの種類があるということはあまり知られていまい。
ひとつは、所属している連盟の加盟団体や、古くからつきあいのある団体へ送るものである。 場合によっては関係のある先生方なども含まれるが、これらを一言で表せば「形式上 義理で出す招待状」ということになる。これらの相手に対しては、特に来てもらえることを 期待して出しているのではない。だから、遠く離れた地域の団体にも招待状を送るのである。 このパターンの招待状は、来てもらうということよりも現在の活動状況を報告するという 意味合いの方が大きいともいえる。

ところが、このパターンに全く乗らない招待状も当然ある。よくあるパターンは、 以前の演奏会に足を運んでもらった人に送るのである。アンケート用紙などに 「次回の演奏会案内をお送りしますので、もしよろしければご住所を・・・」と書いてあるが、 ここにかかれたデータを元に案内状を作るのである。
この場合「日程さえ合えば来てもらえる可能性が高い」という推定が、行動の根底にある。 要するに、一度来た人を離さないための戦術、ともいえる。もちろんもらった方は 絶対行かなくてはならないという訳でもないし、そういう推定自体大した根拠はないのだが。

案内状一枚を送るのに、結構な費用と人手がかかっている。本格的なものを印刷すれば、 全費用が一通あたり100円近くかかってしまう。いっぽうで、送った相手がみんな演奏会に 足を運ぶかといえば、上に述べたような事情からそうとはいえない。主催者側にしてみれば、 あまり面白くないものなのかもしれない。

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チケット

演奏会に行くとき、チケットは必需品である。特に、有料の演奏会であれば チケットがないと入れないのは当然のことである。ところが、入場無料の演奏会であっても チケットを用意していることが非常に多い。ここで二つの疑問が浮かんでくる。 一つはなぜ入場無料なのにチケットが必要なのかということ、もう一つは、もし チケットがなかったらどうなるのかということである。

まず、どうしてチケットを作るのかということであるが、もちろん入場料を払っていない人を 締め出すという目的もあるが、もう一つ大きな目的があるのである。それは、 回収した半券を数えて入場者数を数えるということがある。楽屋のような裏口から入ってくる ごく少数の例外をのぞけば、普通の入場者は入口から入ってくる。だから、入口で 一人一枚の半券を回収すれば人数が分かる、という単純な理屈である。
他にも目的がある。たとえば、たいていチケットの表には、演奏会名や日時が、 また裏には会場までの地図などが書いてある。これがあることによって、演奏会を 見に来る人への案内を兼ねているのである。わざわざビラを持ち出さなくてもよい というのは、案外便利なものである。
さらに、団体によっては半券に記号や番号をかいている場合がある。これは、その記号や 番号を後で集計して、誰が一番観客を呼び込んだかとか、どの学校・団体の人が たくさん来てくれたかを調べるためのものである。それらは、以後の情宣活動に 反映される場合もあるし、単に楽団内の競争だけだったりすることもある。そのへんは 各楽団の事情に詳しい人に聞かなければ分からない。

さて、もう一つの疑問であるが、たいていの場合は入口に明示されていると思うが、 入場無料であればチケットを持っていなくても入ることができるのが普通である。 そのときは、入口で言えばその場でチケットをもらえることが多いが、場合によっては 別の場所でもらうこともあるので、確認する必要がある。ごくまれに、入場無料であっても チケットが入場整理券を兼ねている場合がある。このときは、どこかでチケットが もらえるようになっていなければ入場できないので、注意が必要である。

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風邪

一般的にいって、何をするにしても体調を万全に整えておくのは大切なことである。 とはいっても、冬場には風邪(インフルエンザ)がはやるし、現代人の生活は不規則な 場合が多いし、ちょっと油断をするとすぐに体調を崩してしまう要因があちこちに 転がっている。
管楽器の奏者にとって、風邪は大敵である。もちろんどんな人にとっても大敵では あるが、管楽器を吹くという行為と呼吸器が密接に関連しているから、その被害は 尋常ではない。特に、いわゆる咳風邪を引き込んでしまうとやっかいである。
真っ先に思いつく問題は、楽器を吹いている途中に咳がでてきたら、ということである。 当然そこで音がとぎれてしまうし、ステージ上で咳をするというのも、仕方ないとはいえ あまり格好よくない。しかし、実は問題はそれだけではない。ひとつは、風邪を ひくことで呼吸器系の活動が衰え、充分息が吸えなくなるという問題がある。普段の 練習なら難なくふけるフレーズが、風邪気味になっただけで息が保たなくなったりする。 また、咳風邪の時は痰がからむことも多く、それがブレスをしたときに障害になって ひどい目に遭うことも多い。そして、風邪をひいたときに楽器を吹くと、喉を痛めるの だろうか、全快するまで結構時間がかかるような気がする。
では熱風邪ならいいのかといえばそうでもない。頭がぼうっとした状態で楽器を 吹いても、疲労がたまるだけで練習の成果はほとんど残らない。また臨時記号の 見落としだとか、拍や小節数の数え間違いなどのミスを犯しやすい。すくなくとも 風邪をひくことでよりよい結果が導かれる可能性はきわめて小さい。
いい演奏をするためには、万全の体調を保つのが最高の方策。それは一度最悪の コンディションで演奏してみると実感できるのだが。

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入場無料

プロの団体が行なう演奏会はともかくとして、学生や市民バンドが主催する演奏会は、 入場無料のものがけっこう多い。また、有料とチケットなどには書かれていても、関係者に 連絡すればただで手に入る場合もままある。演奏会を聴きにいくほうからみると、偶然 チケットが手元になかったという場合を除けば、この両者には大きな違いはない。では、 演奏会を主催するほうから見ると、どうであろうか。

実は、主催者側にとって入場が無料か有料かの違いは、非常に大きなものとなることが 意外と多いのである。それは、多くのホールが入場料を取る催し物と無料の催し物で 使用料を変えているからである。もちろん、入場無料の場合は使用料は安くなる。
この結果、チケットに「入場料400円」などと書いてただで配ると、大変なことになる。 一部の例外を除いて、入場料として書かれるのはせいぜい500円までである。仮に 1000人収容のホールが満員になったとして、全員がチケットを正価で買ったとすれば、 興行収入は50万円になる。しかし、実際に1000人のホールを満員にするのは大変だし、 多くの人にチケットをただで渡せば、とうぜん収入は減っていく。そして、その少ない 収入と、ホールの使用料の差額が相殺されたり、最悪の場合損になってしまうのである。

それでも、コンサートを有料とするのにこだわる場合も多い。その理由はさまざまだが、 昔からの習慣であったり、見栄であったりすることもあるし、複雑な事情が絡むことも もちろんある。そんなことを考えながら、ただでもらったチケットに書かれた「入場料」を 眺めてみるのも、面白いかもしれない。

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ステマネという仕事

演奏会は、ステージに出ているメンバーだけで成り立っているものではない。多くの 裏方の仕事をしてくれる人がいて、はじめてうまくことが進むのである。そんな裏方の中でも、 まず観客には見えることのない、ステージマネージャー(ステマネ)の話をしてみよう。

ステマネとは何をする人か。一言でいえば、演奏会本番の流れを仕切る人である。たとえば 曲間のメンバー入れ替えの確認や、指揮者に花束を渡す人がステージへ出るタイミングを 指示するような仕事が、ステマネの役割である。ステージによっては、照明の変わるタイミングの 指示を出すなど、曲中でも仕事が発生する。
これらの仕事は、ホールの関係者が当日に演奏会の進行を把握し行動するのが大変なので、 それを助けるのが主な役割である。したがって、ホール関係者と一から練習を重ねた場合は 必要ないかもしれない。そういうスタイルの場合どうなるのだろうか。

さて、ステマネは正常に演奏会が進行している限り、予定通りに指示を出せばいいだけなので、 タイミングの問題を除けば、仕事として特別難しいものではない。しかし、一旦なにかの トラブルが起こると、ステマネの判断ひとつで演奏会の成否がすべて決まってしまうような 事態にもなってしまう。
実際に、本番2分前になって楽器が壊れたことがある。このときは、幕が上がった瞬間から 演奏開始だったので、メンバーが欠けたままで幕をあげるわけにはいかなかった。 開演までの2分間で直すか、誰かの予備楽器を準備するか、そのまま強行出演するか、 開演を延ばすか。文字通り寸刻を争う判断が求められた。結局、楽器の故障の原因が バネ折れだったものの、ほとんど使わないキイだったのでそのまま開演し、2部までに 予備楽器を手当てすることでうまく収まった。実際の開演は30秒くらい遅れたのだが、 メンバーも含めてほとんどの人が気づかない範囲の話だった。
こういう事態が全くないとは言い切れないため、ステマネは誰でもできる仕事とは言い難い。 ステマネが「うん」といわないと開演も終演もできないくらいの権限をもっているのも、 非常事態での指揮系統を混乱させないためである。

客席からは、ステマネの姿はもちろん、その存在さえもあまり感じられない。しかし、 演奏会を支える大事な裏方なのは間違いない。そんな裏方の仕事にも、少し思いを馳せてみると 言うのも、また面白いかもしれない。

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