このページの最終更新:4th Nov 1998

楽典書がなぜ高いか


楽典の必要性

音楽をする人にとって、楽典は重要な問題です。とはいっても、楽典なんて 義務教育時代にほんの少しやったような気がするなあ、という感じの人も多いと 思います。今の学校教育のあり方ではだいぶ問題があるような気もしますが、ここは 別に教育制度を考えるページではないので、そういう方向の検討はしないことにします。 ここでは、クラリネットを吹く人が何を知っていればいいか、それに対して周りの世界は どうなっているかを考えていきます。

はっきり言って、クラリネットを吹くに当たって絶対必要なのは、楽譜に書いて ある事が分かる程度の知識で充分です。色々異議があるかもしれませんが、 よく考えればこれはとんでもないことなのです。というのも、楽譜に書いてある 事といっても、はっきり言って何が書いてあるか予想できないからです。

結局、楽典の存在意義のひとつが「音楽を演奏するに当たってのルール」である 以上、避けて通る訳には行かないのですが、逆に野球のルールに精通してなくても それなりに楽しめるのと一緒で、細かいところまで知ってなくてもいいと いえるでしょう。

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楽典の参考書

楽典を頭の中に1から10までいれておく必要は全くないのですが、練習して いる時などに楽典的な問題があれば、何らかの手段で解決する必要があります。 そのとき、身近に楽典のエキスパートがいれば文句はないのですが、実際そういう 訳にはいかないでしょう。という訳で、何らかの文献に頼る必要が出てきます。

しかしその文献も結構曲者です。まず、こういう特殊な本は、大きな本屋か 専門書店に行かないと、複数はおいていません。もちろん町の小さな本屋でも取り 寄せはしてくれるでしょうが、需要がそれほどないのでしょう、かなり大きな本屋に 行かないと置いていないような気がします。

また、一口に「楽典の文献」といっても、実際には「音大受験者用の楽典問題集」 と「一般的な楽典解説書」があります。本屋に行くと、これらの本はごちゃまぜに 置いてある事が多々あります。
我々としては解説書が欲しいのに、問題集を買っても仕方ありません。しかも、 その中身はそれこそ初めて音楽をする人のためのものから、プロの指揮者や音大の 教授が持っていそうなものまで様々です。簡単すぎては目的の事が分からない し、あまり難しくては余計分からなくなってしまいます。

まだ問題があります。こういう専門書は(音楽に限らず)非常に高価です。 事実、一人で必要な専門書を揃えるのは苦しいので、バンドで、あるいはパートで 揃えることしかできません。実際一人一人が持つほどのものでもないとは思いますが、 それにしても、中高生にとってはかなり切実な問題でしょう。

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楽典をもっと身近に

専門書が一般に高価な理由は簡単です。需要が小さいからです。
少しでも経済をかじった人なら分かるでしょうが、大きな需要があるものは、多少安くても 数がさばけるので、利益が確保できます。また、大量生産によって製品一つあたりの コストも安くなるので、ますます安くすることができます。
ところが、需要が少ないと、少ない売り上げ数でコストを回収し、利益を上げなければなりません。 少量生産はコストも高くつきます。これらを以下の表で比較してみれば、わかりやすいでしょう。

製品名
販売個数10000個10個
製造施設コスト
$10000
製品材料コスト
$5
総計費用$60000$10050
1個あたり費用$6$1005
目標利益
$10000
1個あたり利益$1$1000
販売単価$7$2005

しかし、だからといって我々クラリネット吹きに、楽典の文献が必要ないわけではありません。 確かに本格的な楽典書を持つ必要はないかもしれないけど、最低限必要な知識を載せた ような本があればそれを持っておいた方がいいと思います。
しかし、残念なことのそういう本はほとんどなく、また、まだまだ割高なのです。 全てのクラリネット吹きが購入するのであれば、かなりの数がさばけるでしょうから、 そういう本を誰かが安価に出してくれないのでしょうか。

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