このページの最終更新:12th Dec 2003

朝一番に気をつけること

朝はやく吹くと変な感じが?

皆さんは、朝練などで早い時間に楽器を吹いたときに、いつものような 調子が出ないな、と感じたことはありませんか? そのときは調子が いまいちでも、授業や仕事を終えて夕方もう一度吹いてみると、 普段どおり吹けることが多いものです。
たとえば冬場であれば、朝は気温が低いので楽器も冷えていて、そのせいで 楽器の鳴りがよくないから調子も悪く感じる、ということも考えられます。 しかし、充分に息で楽器を暖めておいてもいまいちのときが多いですし、 冬以外の時期であっても、感じ方の多少はあるにしてもやはり 本調子にならないことが多いようです。

では、気温以外に朝と昼間では何が違うのでしょうか。朝早起きしたので 眠い、などということも考えられます。しかし、いちばん「調子が よくない」と感じさせている原因は、そのすぐ近くにあるのです。

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起きてすぐの体の状態は

朝起きてすぐの、私たちの体はいったいどのようになっているのでしょうか。 よく言われるのは、睡眠中は食物を摂取することができないので、体の 中の栄養(特に糖分)が不足した状態である、ということです。そのまま 朝食をとらないと、ガス欠状態で午前中を過ごさなければならず、効率が よくない、だから朝食はしっかり食べよう、という話になっています。 それはそれで大事なことですし、練習の調子を落とす原因なのですが、 楽器を吹くという観点では、もっと直接に影響する要素があります。

もし機会があったら、寝ている人の呼吸をよく観察してみてください。 昼間活動しているときと比べて、呼吸が遅く、浅くなっているはずです。 これは、寝ているときのほうが、起きて活動しているときより運動量が 少なく、それにしたがって酸素の消費量も少なくなり、浅い呼吸でも充分な 酸素が確保できるのです。睡眠には体を休める目的もありますから、 呼吸も自然に命を維持できる程度に浅くなっているのです。
では、この状態から目が覚めると、どうなるでしょうか。このとき 人間の肺は、ちょうど長い間しまっておいたゴム風船のように、普段より 硬くなっています。一晩中、最低限の動きしかしていないからです。 その結果、昼間と同じように息を吸おうとしても肺が追従できず、 普段より少ない量の空気しか吸うことができなくなります。通常なら、 この程度の差のために歩けなくなる、といったことはまずありませんが、 楽器を吹くにあたっては、この差が大きな意味を持ちます。奏者は 普段と同じようにブレスができていると思っていますから、息が 続かなかったり、息の支えが思い通りに行かず「調子が悪い」と 感じてしまうのです。

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無理をせずにしっかりウォーミングアップを

では、朝一番に楽器を吹くとして、どんなことに気をつければよいでしょうか。 大きな原因が「肺が充分伸びないことで息が吸えない」と云うことなのですから、 肺が充分伸びるように準備してやれば、大きく改善できるはずです。
具体的には、ゆっくり大きく深呼吸をするだけでもずいぶんと違ってきます。 急に大きく息を吸うと、肺に無理な力がかかってしまう心配もありますから、 あわてずゆっくりと、徐々に大きく息を吸うようにすればいいと思います。

もちろん、余裕を持って早めに起きることで、自然に息が充分吸える状態に なるまでの時間を確保する、というのが理想かもしれません。また、ちゃんと 朝食をとって栄養を補給することで、肺だけでなく頭も準備できた状態に してから練習に望めれば文句はないでしょう。いずれにしても、せっかく 早起きまでして練習をしようというのですから、工夫してよりよい状態で 練習できるようにしたいものですね。

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