このページの最終更新:31th May 1999

楽器購入のポイント

新品と中古

楽器には、新品と中古があります。これは車やパソコン、住宅など高価な 商品では結構あたり前のような気もします。でも、実際に楽器を買うとしたら どちらから選べばいいのでしょうか。

まず、それぞれの特徴を考えます。新品楽器は新しいです(当たり前)。 その前には試奏を除いて誰も吹いていませんから、変な癖がついている事は まずありません。でも、過酷な条件にさらされた事もないので、吹き慣らすため の時間がかなり必要です。買っていきなり演奏会、という訳にはいきません。
機械的には、最新の技術が組み込まれているはずなので、音程的にも音質的にも 一番いい状態(のはず)です。この点は車やパソコンと一緒です。

中古楽器は、前に誰がどのくらい吹いたのかによって楽器のくせがだいぶ 変わってきます。車と一緒で、前歴がはっきりしないと何ともいえません。 中古楽器は安価ですが、市場が狭いのでしょうか、特にクラリネットの中古楽器は それほどメジャーでもないようです。中古楽器は、いいのがあればお買い得ですが、 そのいい楽器にめぐり合うためにはかなりの努力が必要だと思います。

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購入時の注意

実際に楽器を買う時、どんな事に注意すればいいのでしょうか。基本的には 新品・中古共に一緒だと思うので、まとめて述べていきます。

何といっても大事なのは、音色と音程だと思います。音色に関しては、楽器の モデルによってかなり違いますし、同じモデルでも微妙に違います。どんな 音色がいいかは、吹く人の好み、バンドの性質などによって変わってきますから、 自分のおかれた状況をきちんと見定めておく必要があります。
分からなかったら、信頼できそうな先輩に聞いたらいいでしょう。音程については、 楽器のよしあしを決める一番のポイントだと思います。いくら近代の楽器製作が 機械化されて同じようにできるようになったとはいえ、原材料の木がばらばらで ある以上、楽器によってかなり差が出るのは仕方のない事です。ですから、 必ず楽器を試奏して、音程をチューナーで確認して納得できるものを購入すべきです。 自分がきちんと音を出す自信がない場合は、先輩を連れていって吹いてもらうのも ひとつの手です。
でも、やはり最後は自分の吹いた感じで選んでほしいと思います。音程に関しては、 キイを調整する事で多少はましになる事があります。でも、楽器屋で並んでいる 時点で最高の状態にしておくのが普通なので、あまり期待できません。

他には、吹いた時の抵抗感がどうなっているかも確認する必要があります。 理想的には、最低音から一番上まで同じような適度な抵抗感があるのが望ましい のですが、実際にそうなっているのはまれで、だいたいどこか抵抗が大き かったり小さかったりするものです。それも、色々な跳躍をやってみて気に ならなければいいのですが。

ここまでみていれば分かりますが、これらの事は試奏してみないと分からない 事ばかりです。ですから、必ず試奏させてくれる楽器屋で購入して下さい。 といっても、大抵はさせてもらえますが。
そのときに、いま自分が使っている楽器、マウスピース、リガチャー、リードを 持参する事をお忘れなく。今の楽器より吹きにくくなっては、せっかく楽器を 買う意味がないのですから。

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新品楽器の扱い

新しく買ってきた楽器は、かなり気を使って扱う必要があります。 いいかげんにすればすぐに楽器が割れたり、音が出にくくなったりして しまうのです。

まず、新しい楽器は2か月ぐらいは長く吹いてはいけません。もともと楽器の 原材料の木は、数年の自然乾燥と、いくらかの人工乾燥をへて、変形しにくい 状態にはなっていますが、やはり木材は基本的に水分と気温変化は苦手です。 それも、新しい楽器は修羅場をくぐった事はないので(メーカーで耐乾試験とか してる訳がない)、ちょっとの変化でへこたれてしまう事もあります。

新しく楽器を買ってきた場合、最初の1週間はどんなに長く吹いても10分以内に します。それも、めちゃくちゃなハイトーンとか、目一杯のffは避けて、 中低音域の穏やかな音にとどめておきます。
そのあとも、はじめの数ヶ月は、できるだけ短い時間にとどめる必要があります。 そうしないと、楽器本体が割れてしまいます。それも、充分慣らした楽器に 起こることのあるヒビや単純な割れではなくて、木目に沿って裂けてしまったり、 一部分が鱗のように剥がれ落ちてしまう割れ方をしてしまいます。このように 割れてしまっても、修理できないわけではありませんが、楽器本来の性能を 充分に引き出せなくなる可能性はあります。できることなら、そういう事態は 避けるようにしなくてはなりません。

吹いた後は、たとえ湿っていなくてもしっかりスワブを通し、楽器ケースに しまいます。ケースを置く場所も、極端に乾燥した場所や湿った場所、気温が 高くなるところ、気温差の激しいところは避けます。次の週は、20分位は 吹いてもいいでしょうが、できるだけ短く、その後の片づけは前と一緒です。
そうやって少しずつ時間を延ばして、音域や音量も広げていく作業を続けます。

いきなり長い時管楽器を吹くと、楽器に変な癖がつきやすくなり、楽器の痛みも 早くなり、最悪ちょっとしたショックで割れてしまうなど、取り返しのつかない 事が多々発生します。
吹きたい気持ちをぐっとこらえて我慢する事が、結局楽器と自分のためになるのです。

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プロ選定モデル

大きな楽器屋へ行くと、時々「○○先生選定モデル」と銘打った楽器に 出会うことがあります。また、楽器屋の広告などを注意深くみていると、時々 「○○先生による楽器選定会」なるもながあったりします。

こういう楽器を購入する場合に留意すべき点を考えてみます。
まず、その選定している人がどんな人かを把握しておかなくてはいけません。 奏者一人一人に好みがあるので、ある人はいいと思っても、他の人にはいまいち と感じたりするものです。特に、その人がどんなスタイルの奏者なのかは確認 しておかなくてはいけないと思います。少なくとも、その人の主な活動分野が、 吹奏楽かオーケストラか、あるいはジャズなのかぐらいは知っておくべき でしょう。

選定モデルのいいところとしては、音程や音色が保証されているということに つきるでしょう。なんといってもプロの奏者が「これはいい」といってるの ですから、少なくとも音程がいい加減だったり音色がばらついたり、ということは ないでしょう。ただ、それ以上のことはよく分からないのが実状です。
選定者のコメントがついている場合もありますが、お金をもらってコメントを 書いている以上、あまり悪いことは書かないで、いい点を書き並べるはずですから、 その文章を鵜呑みにしてはいけません。
選定モデルはほかより価格は高めなようです。プロが時間を割いて実際に吹いて チェックしてる分の手間賃ということでしょうか。

選定モデルといってもそれを完全に信用するのではなく、あくまで自分が気に 入るかどうかだと思うのです。必ず試奏して、自分の耳と感性で確かめる必要が あるでしょう。

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