このページの最終更新:28th Apr 2002

ピッチに気をつけてみよう

ピッチとは

合奏に参加していると、指揮者に「ピッチが悪い」といわれる事がああります。 たいていは「そうですねえ」とかなんとか言ってごまかしてしまうのですが、 静かな曲でメロディとかが「わんわんわん」とうなってしまうと、何となく格好 がつきません。

そもそも、音程がはっきり決まっていた訳ではないようですが、文献によると、 国際標準ピッチというのがあって、有名なA=440Hzと共にA=435Hzが 定められています。で、オクターブ違うと周波数が倍になるので、それを基準と して平均律や純正律が決まってきます。
でも、クラリネットの場合、指を運指表の通りにしたとしても「だいたいド」とか 「だいたいファ」という音しかでないので、上のように決まった周波数と違う音 になってしまう事があります。それがいわゆるピッチのずれなのです。

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ピッチが下がる時

周波数が予定通りの数に足らない場合、音は低くなるので、ピッチが下がっ た(あるいは上がらない)状態になります。原因はいくつかあるのですが、 大きく言えば奏法に問題がある場合と、環境に問題がある場合があります。

奏法の問題としては、息の圧力や密度が楽器の必要としている値に達していない 場合があります。
吹いている本人は目一杯息を吹き込んでいるつもりでも、実際には息が唇や 鼻から漏れていたり、リードやマウスピースがもっとたくさんの息が必要な セッティングだったりするのです。また、楽器のコントロールが充分にできて いない場合もあります。このときは、マウスピースとバレルだけの状態で Fisの音を安定して吹けるようにチューナーを使って練習するとかなり 改善される事が多いようです。

環境の問題は、ずばり「気温が低い」事です。例えば冬場などは、楽器の本体が 冷えきっていれば音が全体的に低くなってしまいます。物理的にどのような 現象が起こっているかは、工学研の報告のほうを参照して下さい。
そういう場合でも、根気よく吹き続けていればすぐに楽器が息で暖まって、 普通になるようになります。このとき、管の中には大量の水分がつくので、 こまめにスワブを通さなくてはいけません。
また、間違ってもストーブに直接かざしたり、お湯につけたりしてはいけません。 楽器が割れたり腐ったり、痛んでしまう原因になります。どうしても、という時は、 手のひらで暖めるようにしましょう。

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ピッチが上がる時

逆に、ピッチが上がってしまってどうしようもない事もあります。こちらも、 大きくいって奏法と環境の問題に分けて考えることができます。

奏法的に一番問題となりやすいのは、口の回りに余計な力がかかって、必要以上に 筋肉の緊張が起こっている場合です。特に楽器を吹きはじめて間もない人の場合、 唇の両サイドから息が漏れてしまう場合があります。すると、息が漏れないように と思って上下の唇をぎゅうぎゅうと締めてしまいます。
すると、リードが自由に振動できないので締めつけたような不快な音色になるし、 ピッチも高めに出るし、唇も疲れるし、そのくせ息はやっぱり横から漏れるし、 あまりいい事はありません。
この場合は唇は楽にして、その柔軟性で息漏れを防ぐのが基本なので、 あまり無理に締めないように注意する必要があります。

環境の問題は、ずばり「気温が高い」事です。夏場にクーラーのない部屋で 練習したり、パレードなどで屋外で吹く場合、気温が高いとピッチも高くなります。 その物理的現象はやっぱり工学研の報告に譲りますが、この場合、楽器を氷か 何かで冷やす訳にもいきませんので、楽器のジョイントを抜いて調整するしかないでしょう。

究極の(邪道な)解決法としては、チューニングピッチを高くしてしまうという 方法も、ない事はありません。A=440/442という基準が、絶対では ないのですから。ただ、今日本の楽団が持っている、鍵盤楽器のように音階が あるがチューニングできない楽器類はほとんどが440か442になっているので、 その点は考慮する必要があります。

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