このページの最終更新:10th Sep 2001

新品リードをどう扱うか

吹く前の準備はどうするか(1) / 吹く前の準備はどうするか(2) 初めて吹くときはどうするか

吹く前の準備はどうするか

リードを長く寝かせるべきなのか

皆さんは、新しく買ってきたリードをどのように扱っているでしょうか。多くの人は、買ってきた リードを実際に吹いてみて、使えそうなものとそうでないものを分けたり、使えなさそうなものを 削ってみたりしているのではないかと思います。
もちろん基本的にはそれでいいと思われますが、世の中ではリードの取り扱いに関してさまざまな 情報があふれています。そのうちのいくつかを拾い上げて、どう考えればいいのかを検討して みましょう。

まず始めに「購入したリードをすぐに吹いてはいけない」という説について考えてみましょう。
この説の根拠のひとつに、リードがより乾燥した状態のほうがあたりが多く、リードの持ちもよくなる ということが挙げられています。そしてその前提として、メーカーでの乾燥工程が不十分な場合が ある、ということがあります。しかし、本当にそうなのでしょうか。
昔に比べて管楽器奏者の総数は大きく増えましたし、楽器やリードの関する知識も広まって いるので、昔よりリードに対する需要も大きく増えているのは確かです。そしてそれに対応 するために、行われている作業工程を簡略化したり、検査の企画を変更したりしているのでは ないか、という噂も聞くことがあります。しかし、そうやって粗悪品を出しているのだと 仮定しても、粗悪品を寝かしたところで粗悪品であることには変わりはありません。粗悪品を 寝かすことで良品に変える、というのは理論的に若干無理があるようです。

このページのはじめへ戻る

リードを寝かせる必要はないのか

ではリードを寝かすことがまったく無意味なのかというと、そうでもありません。それは、日本と 生産地の気候の違いに起因する、まったく別の問題があるからです。
リードの生産地は、おもに南フランスとアメリカです。特に南仏のリードは、その品質の高さに 見るべきものがあります。これは、南仏がリードの原料であるケーンの生育に、非常に適した 環境であることが大きな要因として挙げられます。
さて、これらの地方の環境は、日本のそれとは大きく違います。日本のような高温多湿の イメージはあまりありません。そのような環境下で作られたリードを、いきなり高温多湿な環境に 持ち込んで吹くと、どうなるでしょうか。やはり、環境の変化にリードがついていけなくて、 結果的によくないリードと判断されてしまうのではないでしょうか。これは、普段練習している 部屋ではよく鳴るリードが、エアコンのきいたホールでは全然鳴らなかったりするのと同じ事です。

このように考えると、その原理はともかくとして、リードを買ってすぐに使わずに置いておくと いうのはひとつの手法であるのは間違いないようです。実践するときも、普段から余裕のあるときに 多い目にリードを買って置いておき、それを開けるときに新しいリードを買ってまた置いておく、 という程度でも充分期待できます。このように気軽に行えるのであれば、やって損はないと いえそうです。

このページのはじめへ戻る

リードを冷蔵庫に入れるべきなのか

リードを寝かせるとき、普段からじめじめしたところに置いておくと、リードにカビが 生えてしまうことがあります。それを避けるために、またあるいはリードの乾燥を促進させるために、 冷蔵庫にリードを入れてしまうという方法があります。というのは、冷蔵庫の中は野菜室をのぞいて 全体に湿度が低いからです。これは、野菜を野菜室以外に入れっぱなしにしておくと、干乾びて しまうことからも頷けます。
では、リードを冷蔵庫に入れるとどうなるのでしょうか。おそらく、さきほどの野菜と同じようになると 思われます。すなわち、水分が失われて、究極的には干乾びてしまうのです。もちろん、そんなに 長い間入れっぱなしにすることは普通は想定しませんし、リードはもともと新品でもそれなりに乾燥した 状態になっていますから、その心配はあまり必要ないかとは思います。
むしろ問題なのは、冷蔵庫の環境に慣らされたリードが、実際に吹く環境と大きく違った状態で安定して しまうことではないかと思います。前項でもふれたように、リードの乾燥不足よりも環境との不一致の ほうがリードを鳴りにくくしている原因として、合理的であると思われます。とすれば、わざわざ リードを非現実的な環境に慣らす理由がわかりません。

もちろん、市販リードの乾燥工程が不十分だという仮定に立てば、リードを冷蔵庫に入れるのは 一理あります。ただその場合でも、まめにリードの状態をチェックすることを怠ってはいけない でしょう。リードがどこまで乾燥すればいいのか、ということに関して定量的な情報は残念ながら ありません。でも、過剰に乾燥した状態はリードにとって極めて不自然で、好ましくないことは 容易に想像できます。その状態に至ることのないようチェックする必要があるのです。また、 冷蔵庫から出してすぐ吹くのも、リードの環境への適応を考えると注意の必要があるでしょう。 冷蔵庫から出した後どのくらいの時間をかけて環境に慣らせばいいのか、難しい判断が求められます。
以上のことを考えると、むやみに冷蔵庫に入れる必要はないようです。対象となるリードの状態を 見極めて必要に応じて冷蔵庫に入れてみる、というのが、順当なスタンスなようです。

このページのはじめへ戻る

吹く前の準備はどうするか(1) / 吹く前の準備はどうするか(2) 初めて吹くときはどうするか