このページの最終更新:14st Jan 1999

早指克服を目指せ

早い指の必要性

クラリネットを吹いている人にとって、指が回らないのは困ったものです。 表現上で困る事のかなりの部分が指回し・運指の問題に起因するものです。 考え方によっては、そういう困難を従うような作曲・編曲をすること自体が 非難の対象となるべきなのかも知れませんが、現状を考える限りでは、 やはりクラリネットを吹く以上は指回しの問題は避けられません。

早いパッセージが出てきたとき、大抵はまずゆっくりと音を順番にさらって、 次にメトロノームに合わせてだんだん速いテンポに合わせていく、という パターンで練習をすると思います。基本的にはこれでいいと思うのですが、 このとき気をつけた方がいい事がいくつかあるので、それを順を追って 述べておきます。

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まず楽譜をさらうときに

まず、はじめに音をさらう時は、テンポなどは気にせず、一つ一つの音を 確実に出してどんなふうにつながっているかを確認します。
譜読みになれた人ならば、楽譜を見ただけで旋律や音階のイメージが浮かぶ場合もあります。 しかし、みんながみんなそういう技能を持っているわけではありませんし、難解な曲では 十分イメージできないこともあります。ですから、一つ一つの音をただ確認するのではなく、 その前後の関係を確かめ、最終的には小フレーズのイメージを構成する必要があります。 ゆっくり吹いた音の情報を頼りに、本番のテンポでのフレーズを想像するのは、 楽譜の記号だけを頼りに想像するよりは遙かに容易なはずです。
また、このときに臨時記号などを勘違いしてしまうと、後で気づいてもなかなか 直らないなどという事態を引き起こします。それほど最初にできあがったイメージというのは 大きな影響力を持っています。決してあわてないで、着実にこなしましょう。
音楽的に音が飛んで変なところや、音楽的には問題ないけど運指的にしんどいところも、 このときに確認しておきます。

ここで得た情報を頭において、ゆっくりから練習します。必ずメトロノーム (それも正確なもの)を使いましょう。何回かやって確実にできるように なって初めて少し早くします。無理は禁物です。引っかかった場合は、 どこが原因なのかをちゃんと分析します。だいたいは小指・薬指のあたりの 動きか、レジスタをまたぐ場合、後は十字キー(Gキー)のあたりでしょうか。 このとき、手首が固くなっていないか確認しましょう。ふにゃふにゃでは楽器を 支えられませんが、あまり固いと指の自由な動きが阻害されます。 これは、指を動かす筋肉が腕にあって、手首のあたりを腱で通っている事に 関係があるようです。

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早指完成に向けて

こうやって地道に努力すれば、しばらくするとかなりのテンポで指が回る ようになります。ソロや練習曲などならこれでいいのですが、複数で吹く場合は ここからみんなで合わせる作業が必要になります。
またゆっくりのテンポから、みんなで合わせます。拍の頭がまずかっちり合う ように気をつけましょう。誰かが休んで聞いてみて、不自然さがないか 確かめましょう。特に連続した上行形や下降形は、出だしの頭がそろっていても、 途中でバラバラになってしまいがちです。よくある手法としては、スラーを全て 取ってしまって、一つ一つの音をしっかりタンギングしながら吹きます。 すると、遅れたりつんのめったりすれば、すぐにわかります。もちろんこの方法は、 だんだん速くすればタンギングが追いつかなくなってしまうので限界があります。 でも、何となくできてるけど不満が残るような場合、こういう形でチェックするといいでしょう。
さらに場合によっては、その速いフレーズ全体でどのようなフレージングをするかも 意志疎通しておく必要があります。これは、その速いパッセージがソリのメロディであるような場合に 重要になってきます。メロディの場合は特に、その雰囲気を演出したり、抑揚をつけたりする結果、 拍の長さや感じ方が微妙に揺れています。それがメロディの奥深さを生んでいるのですが、 この場合、その感じ方がバラバラだと、そろっていないような感じがしてしまいます。 この点は、聞いてる方より吹いてる方が敏感なのですが、吹き手に違和感を残したままで いい演奏はできません。
そういう様々なプロセスを経て、めでたく早いパッセージが完成します。

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