このページの最終更新:5th Aug 2003

指の腹を生かそう

クラリネットの構造上の特徴

クラリネットにはさまざまな特徴がありますが、そのひとつにトーンホールの 存在があげられます。ここでいうトーンホールとは、楽器にあいた穴 すべてのことではなく、そのうちで奏者の指によって直接ふさぐ構造に なっているものです。一般的なソプラノクラリネット(Bb管など)では、 合計7つのトーンホールが該当します。アルトクラリネットや バスクラリネットでは、カバードキイと呼ばれる、指で押さえる部分の真下に トーンホールとそれをふさぐタンポがついた構造になっているものがほとんどです。 (楽器が大きくなることでトーンホールも大きくなり、指でふさげないため)

さて、このトーンホールの存在が意味するものは何でしょうか。ひとつには、 奏者の意思または過失によって、トーンホールのふさぎ方が変化する、と いうことが挙げられます。
普段私たちは、これらトーンホールは完全にふさぐか開くかの二通りで考えています。 また、運指標などもそのとおりに書かれています。しかし、リコーダーなどで つめを立ててトーンホールを半分開くという方法があるのと同じように、クラリネットでも わざとトーンホールを中途半端にふさぐことで、特殊な効果を得ることができます。 これは、奏者が意図してトーンホールのふさぎ方を変えた場合です。では、奏者の過失で ふさぎ方が変わってしまった場合、どうなってしまうのでしょうか。

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トーンホールを確実にふさ塞がないと

トーンホールを確実にふさがなかった場合、そこに隙間ができます。かなり小さな 隙間であっても、その部分では空気が管の内外へ自由に移動できます。すると、 管内の空気振動が落ち着くべき条件が、この隙間から出入りする空気のために 変わってしまいます。その結果、本来意図していた空気振動(=音)ではない 異なった音が出てしまいます。
よくあるのは、本来の音よりかなり高い音が「キャー」という感じで出る スクリーム(いわゆるリードミス)です。また、音のピッチが異様に高かったり、 本来の音以外の音が混ざることもあります。これらの現象は、トーンホールが 確実にふさがれていないときによく発生します。もちろん、トーンホールの ふさぎ方がすべての原因ではなく、確実にふさいでいても同じ現象が 発生することは多々あります。

いずれにしても、普通の演奏ではこのような音は望ましくありません。ですから、 確実にトーンホールをふさぐことで、これらの音を少しでも回避するように しなければなりません。
そのために、指の腹をうまく使うことが必要になってきます。人間の指は さまざまな機能を満たすために、その部分によってさまざまな特徴があります。 トーンホールの穴をしっかりふさぐには、指の腹の一番柔らかい部分で 押さえてやれば、隙間なくふさぐのが容易になります。
指の先端の、つめの直下部分も比較的柔らかいですが、ここを使って トーンホールをふさごうとすると、トーンホールに対して指の面積が 小さくうまくふさげなかったり、トーンホールの周りにあるリングを うまく押さえられなかったり、指の動きがスムーズに行かなくなることが 多いので、あまりすすめられません。

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普段の練習が大事

指の腹でトーンホールをふさぐことは、慣れてしまえば何も考えなくても 自然にできる、非常に簡単なことです。しかし、何らかの理由で ほかの部分で押さえる癖がついてしまうと、簡単には直りませんし、 とっさのときに元の癖が出てしまいがちです。やはり、普段の練習から 意識して指の腹で確実のトーンホールをふさいでいるかを、常に 確かめる習慣が必要になってきます。
基礎練習というと、同じようなことの繰り返しでつまらない、退屈だと 思う方もあるかもしれません。しかし、単純なことの繰り返しだからこそ、 こういった一番基本的なことを確実に自分のものにするのに うってつけなのです。面倒くさがらずに、一歩ずつ確実に 進んでいくのが大事なのです。

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