このページの最終更新:18th Nov 2001

リードの歪みを見つけよう

なぜリードが歪むのか

普段私たちは、買ってきたリードをそのままか多少調整して使っています。もちろん、中には 自分で削りだす方もおられるかもしれません。いずれにしても、どんなスタイルであれ、その前提として 「リードの形は不変」という暗黙の認識があると思います。
しかし、実際のところはどうでしょうか。新しいリードの場合は特にそうですが、使用時間が経つに つれて、微妙に変形していることがあります。その影響は小さいので、場合によっては見落として しまうほどですが、注意深く吹いていると、わずかな吹き心地の変化として感じることができます。

まずはじめに、リードが歪む原因を考えてみましょう。
リードに限らず、天然の資材(木や動物の皮も含む)を工作に使う場合、まずはじめに材料を乾燥させる 作業が必要になります。これは、これらの材料は水分を含んでいて、その含む度合いによって材料の 特性が変わってくるからです。特に木材などの場合は、水分が抜けることで固くなるとともに、木材全体が 若干縮みます。その変化量はごくわずかですが、建物などに使うときは、この変化が致命傷になることも あるそうです。
リードの場合も同じように、乾燥の過程において体積が変化します。リードメーカーは2年程度乾燥させて、 変化しなくなってからリードに加工します。ですから、普通は加工後の形からの変化はほとんどないと 考えることができます。
ところが、私たちがリードを使う状態は、いわばリードが完全に濡れた状態です。湿ったリードは、適当な 方法で乾燥させれば元の状態に戻りますが、乾燥方法が不適切だと、元の状態には戻らなくなります。 これが歪みとして残ってしまい、次回以降の使用時に影響を与えることがあります。

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どの部分が歪みやすいか

材木の場合、最も歪みやすいのはもっとも弱い場所だといいます。たとえば薄くなっている部分が そうですし、ふしの部分も該当します。リードの場合も同様です。一番頻繁に、そしてはっきりと分かるのは、 ティップの部分です。この部分は、目で見ても分かるとおり非常に薄いので、少しでも歪むような 要素があると、大きく変形してしまいます。
この部分が歪むのは、主にリードの繊維が完全に均一ではないことに関係します。リードを透かしてみると、 縦方向に何本も筋のようなものが通っているのが分かります。これがリードの繊維なのですが、この繊維には 密な部分と疎な部分があります。また、栄養を送るための細い管が空洞になっています。このように 性質の異なる部分が隣接していますので、乾く速度が均一にならない、と早く乾燥した部分が先に 縮んでしまい、波打ったように歪んでしまいます。

リードの反り 次によく起こるのは、リードが反ってしまうということです。このリードの反りには2種類あって、 ひとつは左図の上側のようにリードの長手方向に反る場合、もうひとつは下の図のように横手方向に 反る場合です。もちろんこの絵は誇張であって、実際にこんなに反り返ることはまずありません。
長手方向に反るのは、リードの厚さが部分によって異なることに原因があります。見てのとおり、 ティップ側は薄いのに対して、ヒール側は厚くなっています。このため、一様に湿った状態から 乾燥させると、ティップ側はすぐに中まで乾燥しますが、ヒール側は時間がかかります。この時間差によって 乾燥の度合いに差が生じ、そのためリードが反ってしまうのです。また、ストックには皮がそのまま 残されていますが、この皮は本体と違う性質を持っているため、反りを助長してしまうことが あるようです。
リードと葦材の比較 これに対して横手方向のそりは、フェイシング面が葦材のどの部分に相当するかの違いが 原因となっているようです。少し分かりにくいかもしれませんが、この図は葦材からどのように リードをとるのかを、模式的に示したものです。オレンジ色の部分が、実際のリードです。この図から 分かるように、フェイシング面の中心付近は葦材の一番内側に近い部分であるのに対して、サイドに 近づくにしたがって、葦材の外側の部分になっていくことが分かります。葦材の内側と外側では、 繊維の通り方に若干の違いがあります。その違いによって乾き方の差が生じます。また、厚さも 中心側とサイド側では異なりますので、その差によっても乾き方が変わってきます。これらの 違いによって、リードが横手方向に反ってしまうのです。

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どうやって歪みを見極めるか

まず、先端が波打つような歪みですが、この歪みは、たいていの場合は目で見ただけで 分かるほどになってしまいます。分かりにくい場合でも、ガラス板のように平らな面に当ててやれば、 すぐに分かります。対応策としては、もう一度リードを充分に湿らせて、適切な方法で乾燥させると 回復する可能性が高いですが、歪みがひどい状態では完全には戻らない場合もあります。

では、長手方向のそりはどうでしょうか。この反りは目で見て分かるほど反り返ることはまれです。 ガラス板のような平らな面にリードを置いて、隙間があるかどうかを見るのが、一番確実です。といっても、 それでも隙間はごくわずかであることが多いので、すかしたり、見る角度を変えたりという工夫が 必要になるでしょう。
横手方向の反りはもっと厄介で、ガラス板に載せても隙間はほとんどできません。リードを ガラス板に置いた上で、ストックに指を置き、指を左右に動かすことでリードを回転させるような 力を与えたときに、リードががたつくかで判断するのが一番手っ取り早いのですが、あまり確実では ないようです。

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